進めよう!!生きものにぎわいづくり~社会資本における生物多様性保全活動の促進~

● 海で、川で、公園緑地で、「生きものにぎわいづくり」をはじめませんか?

 地球上には数千万種にものぼる生物がおり、日本にも約10万種の生物が息づいています。
 多種多様な生物が相互に関係しあって生態系をつくり、私たちの生きられる環境をかたちづくっています。水や大気を浄化し、物質循環や食物連鎖を築き、私たちの美しい国土を災害などから守ってくれています。また地域固有の生態系は、地域に根ざした生活文化やなりわいを生み出し、地域社会を育んできました。
 生物多様性の保全は、安全な生活基盤のために、また個性豊かな地域づくりのために、取り組むべき重要な課題です。
 河川や海岸、公園・緑地など、身近な公共の空間で、自治体や市民、学校や企業など、さまざまな主体による生物多様性保全活動がはじまっています。多様な主体が地域で連携して生物多様性保全活動を行なうことで、地域レベルのきめこまかい生物多様性の保全が期待できるとともに、地域コミュニティが強化され、地域の活力がうまれます。
 多様な主体による「生きものにぎわいづくり」を後押しするために、平成22年には、「地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律」が策定されました。
 みなさんも、身近な、川で、海で、公園・緑地で、「生きものにぎわいづくり」をはじめませんか。

● 「生きものにぎわいづくり」って?

「生きものにぎわいづくり」は、人と人、人とコトも、人と地域をつなぎます
「生きものいきものにぎわいづくり」とは、多種多様な生きものが、それぞれ食物連鎖や共生といった相互の関係を持ちつつ生息していること、そのような環境づくりを、自治体や市民、学校や企業など、さまざまな主体が連携して取り組むことを、ここでは意味しています。
 河川や海岸、公園や緑地など、身近な公共の空間において、「生きものにぎわいづくり」を進めると、そこに、これまで無かった、人と人、人とコトとのさまざまなつながりを生み出すことができます。
「生きものにぎわいづくり」は、活動に参加する市民に地域への愛着や仲間づくりを促します。そのことで、地域コミュニティを定着させたり、人々の生きがいづくりにつながります。
「生きものにぎわいづくり」は、子どもたちにとっての環境教育になり、地域の防災を考える人々のつながりを育んだり、自然の恵みを生かしたなりわいや観光振興、まちづくりへと、幅広い活動とつながっていきます。
「生きものにぎわいづくり」を進めるポイント
「生きものにぎわいづくりを進めるうえで、次のようなポイントがあります。
1.フィールド・・・地域の宝をみつけよう!
地域の自然や魅力について調査し、その価値を確認しましょう。専門家などのアドバイスによって、地域固有の自然や魅力を再発見できるかもしれません。
2.活動の担い手・・・なかまをつくろう!
生物の生息空間の保全・再生・創出や維持管理などの活動には、多くの人の力が必要です。さまざまな個人・団体と連携し、みんなで活動を広めましょう。
3.目標設定・・・みんなの思いをかたちにしよう!
さまざまな個人・団体が協働・連携するには、目標の共有が必要です。誰にでもわかりやすく、具体的な活動に活かせる目標を設定しましょう。
4.合意形成・・・多様性を認め合おう!
さまざまな個人・団体の立場や考え方の違いを認め合ったうえで、お互いに助け合い、目標を共有し、活動を強固なものとしていきましょう。
5.モニタリング・・・活動の成果を見える化しよう!
定期的にモニタリングを行って、活動の方向性を確認しましょう。活動の成果を確認すると、やりがいにつながります。モニタリングの結果を公表し、活動の意義を広めましょう。
生物多様性保全活動

パンフレット
  「生きものにぎわいづくり―社会資本における生物多様性の促進」

「生きものにぎわいづくり―社会資本における生物多様性の促進」パンフレット 国土交通省では、これから海、川、公園緑地における「生きものにぎわいづくり」をはじめようとする自治体や市民団体の方に参考としていただくために、全国で展開されている「生きものにぎわいづくり」の活動事例を紹介するパンフレットを作成しました。このパンフレットでは、全国から15の事例を紹介し、みなさんの地域の「生きものにぎわいづくり」のヒントとなること目指しています。

●「国土交通分野における生きものにぎわいづくり事務局2013」について

 「国土交通分野における生きものにぎわいづくり事務局2013」は、国土交通省総合政策局環境政策課が実施している「平成25年度国土交通分野における生物多様性保全の取組普及関連業務」の円滑な運営のために、事業委託を受けた株式会社森里川海生業研究所の中に設置されています。
 この事業は、公園緑地・河川・港湾といった社会資本の場において、地方公共団体や市民団体、学校、企業など多様な主体が行なう生物多様性保全の取組を普及・促進することを目的に、本年度は、地方公共団体や特定非営利活動法人(NPO)等を対象としたイベント(ワークショップ等)の企画・運営等のほかに、国土交通分野における生きものにぎわいづくりに関する情報発信等を行います。

事 業 名:平成25年度国土交通分野における生物多様性保全の取組普及関連業務
受託機関:株式会社 森里川海生業研究所
〒156-0051 東京都世田谷区宮坂3-10-9 経堂フコク生命ビル3階
TEL:03-6411-3563 FAX:03-6432-6590
e-mail:ikimono@nariwai-navi.jp

●「地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律」

 生物多様性の保全に関する国際的な関心が高まり、世界各国で様々な取組が進められています。昨年名古屋で行なわれた生物多様性条約第10回締約国会議では、ポスト2010年目標(愛知目標)として、自然と共生する社会の実現に向け、世界をあげて取組むことが合意されました。
 そのようななか、地域の多様な主体が連携して行う生物多様性保全活動の促進を目的とした「地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律」が、農林水産省・国土交通省・環境省の3省共同で制定されました。自然と共生する社会を実現するための更なる生物多様性保全に関する取組が求められています。


川で、海で、公園緑地で、みんなで生きもののにぎわいづくりをすすめよう